2025/12/18 13:10
毎月月初にやってくる “あれ” が、私の HP をゴリゴリと削っていく。
“あれ” とはそう、棚卸しだ。
今月こそはスムーズに終わらせたい…そう思うのに、なぜか毎回ドラマが起きる。
今日は私が最も苦手とする仕事「棚卸し」について、そもそも棚卸しとはなんぞやや、私の手順、乗り切るための攻略法、でもやっぱり大事なメリットなどを話そうと思う。
「雑貨店の裏側」シリーズ、ぜひ、最後までお楽しみいただけると嬉しい。
棚卸しって何?
棚卸し:決算などの際に、商品・製品・原材料などの在庫を調査して数量を確かめるること。
アイダシュンでは、毎月月初に行っている。
お店の売場面積は8.5坪ほどとそこまで広くはないが、商品の種類数は色やサイズなどを分けると 200種類程 になる。
「なーんだ、たった200個?」
と、思われるだろうか。
これは商品の種類数であって在庫数ではない。
つまり、商品の種類ごとにそれぞれの在庫があるので、在庫数はその何倍にもなる。
オリジナル商品ともなると、在庫数300というものもある。
(もうすぐ在庫数500のオリジナル新商品が届く♡)
それらをひとつひとつ数え、レジに登録されている在庫数と照らし合わせていく作業が「棚卸し」だ。
毎月初めにやってくる私のラスボスである。

世の中には売場面積、商品数、在庫数がうちとはケタ違いなところももちろん無限にある。
そういったところの棚卸しをされている方には頭が上がらないし、「棚卸し、めっちゃ好き」という方がいたら、あの、ぜひ業務委託させていただけませんか?とペコリせずにはいられない。🙇♀️
いつもの戦い方
さて次は、棚卸しの手順(戦い方)を紹介しよう。
まずはエクセルシートにレジの在庫数を入力。
(ひな形を作ってある自分に拍手!👏)
そして、在庫数を数えていく。
「いち、に、さん、し、ご・・・・・」
これを延々と繰り返す。
数えたらエクセルに数量を入力。
差異がないか確かめる。
ここで差異がない場合は、軽く「よしっ!」とつぶやき、嬉しさで2cm浮かぶ。
差異が生じた場合は、小さくため息をつき、もう一度最初から数え直す。
ここで揃えば、まだ良い。
ここでも差異が生じた場合は、レジ内の在庫変動履歴をチェック。入荷時の入力忘れや、オンラインストア販売分の未登録、打ち間違えの場合もある。
ここで揃えば、まぁ良い。
ここでもまだ差異があれば天井を見上げ、ため息をつく。スタッフさんへの聞き取り調査も行ってみて、それでも原因がわからなければ「差異理由不明」となる。
全ての在庫を数え、差異理由をあぶり出し(もしくは不明と記載)シートにまとめて報告。
これが棚卸しの一連の流れである。
なぜ“ラスボス”なのか?
棚卸しが私を悩ませるのは、さほど大した理由ではない。ただ、数を数えるのが異常に苦手だからだ。
2~3個ならまだいい。
百歩譲って20個くらいまでは許そう。
しかしこれが何百個となってくると、途中で何個数えていたかわからなくなってしまったり、違う種類のものを続けて数えてしまっていたりする。
通知音がする、物が落ちる、脳が「今日の夕飯何しよう?」と考え始めるなど、途中でリズムが狂うと、また最初から数え直しとなる。
(私だけだろうか・・・?)
乗り切るための攻略法4選
そんなこんなで、2年近く毎月ラスボスを倒し続けていると、攻略法をいくつか見つけることができた。
「そんなん、当たり前やん」と思わずに、温かく見守っていただけるとありがたい。
1:営業時間外/店休日に行う
これはどうしても “タイミングが合えば” ということになってしまうのだが、すこぶるはかどる。レジカウンターの上に思いっきり商品を広げて数えられるし、途中で手を止めることなくサクサクと進んでいく。
2:塊に分ける
オリジナル商品の靴下なんかは、在庫数が多いものの代表である。
何足かずつがまとめて1袋に入った状態で納品されるため、その袋の中身の数量を数え、数字を書いて袋に貼っておく。そうすれば、袋の中身を毎回数えずに、袋に書いてある数字を足していくだけでよくなる。
袋の中身の数を揃えた方がもっと楽なことに、今気付いた…今はバラバラだ。来月やり直そう。

3:塊をバラす
今度は2と真逆なのだが、塊で納品されたものを個別に分ける。
例えば、Tシャツ類。納品時には、数枚ごとに二つ折りにされてまとめられている。そして、これが私が一番数え間違いをしてしまう、ラスボスの中のラスボス商品である。
サイズ違いではあるが、折り重なっていると見た目はほぼ変わらない。首元のサイズを確認しながら数えているはずなのに、「いち、に、さん・・・」と同じ呪文を唱え続けていると、自分がどのサイズを何枚数えているのか、いつの間にかわからなくなっているのだ。(ホラー)
そこで思い付いたのが、Tシャツを1枚ずつ販売時の袋にあらかじめ入れておき、バラしておくことだ。そして、サイズごとに分けてまとめ、少しずつ数える。こうすることで、数え間違いやホラー現象が格段に減った。

1枚ずつ袋に入れ重ねたTシャツを横から見た図
4:最初と最後に「飴」を持ってくる
最後は、気持ちの問題である。
みなさんは、いちごのショートケーキのいちご(醍醐味)をどうやって食べるだろうか?
私は最初に一口食べ、最後にもう一度堪能する、最初と最後に幸せを味わいたいタイプだ。棚卸しにもこれを適用する。
最初は必ずキーホルダーから。すでに100個ずつの塊に分けているので、あとは残りの数十個を数えるだけなので楽勝である。
最初に気分を乗らせ、軽やかなスタートダッシュを切る。
(5:ささやかな夢)
アイダシュンのスタッフは基本私一人である。
不定期でアルバイトスタッフさんも入ってくれるのだが、一緒にお店に立つことはない。時々しか入らないスタッフさんに “ラスボス” を押し付けるのは、私の良心がチクりと痛む。
つまり、必然的に私が一人で行うことになる。
ただ、誰かと一緒にキャッキャと言いながら挑むラスボス戦は、結構楽しそうだなぁと妄想が膨らんだりするのも事実である。
それでも棚卸しをする理由
散々、大変さを嘆いてきたのだが、棚卸しには多くのメリットがある。というより、もうメリットしか見当たらない。
そして、決算時だけでなく毎月行うことによって、記憶も新しく、ミスに早く気が付けたり、賞味期限のあるものも細かく管理できたり、何かと迅速に対応できる。良いことづくしなのである。
そんなわけで、来月も私はラスボスに挑む。
▼ラスボスメンバー
