2025/05/26 12:11
小学校の修学旅行ぶりの奈良入りだ。
さて、何をしよう?どこに行こう?
色々探すうちに、チャリックス という自転車をこぎながら靴下を完成させるという、なんとも愉快なワークショップが目に留まった。
私にとって、奈良と言えば「大仏と鹿」のイメージだ。
県民にしてみれば「いや、それだけじゃない」と感じるだろう。
(うどん県。それだけじゃない、香川県 byうどん県民)
靴下も有名なのか。
調べると、なんと靴下の生産量が日本一だった。知らなかった。
奈良は「靴下のまち」なのだ。
その靴下の本場で、靴下を作れるというのだから、参加しない訳にはいかない。早速ワークショップを予約した。
サイトを見て、ワークショップの流れは頭に入れておいた。
でも、どんな靴下にするかはその日の感性で決めようと思った。
当日、まずは靴下のメインとなる糸の色を選ぶ。
36色ある中からお好みの3色を選び、2種類の白色(吉野葛和紙とシルク)、計5色の糸で編んでいくのだが、仕上がりイメージや組み合わせなどは完全に無視。直感で選んだ。
あまりにも適当過ぎないか?まぁ、良い。
なぜなら、岡本さんが言っていたから。芸術は爆発だ、と。
岡本太郎は著書『今日の芸術:時代を創造するものは誰か』において、上手く描く必要はなく、下手であっても誰もが表現のよろこびを噛みしめるべきだと述べました。
上手く描くということは、よくよく考えてみれば無意識のうちにどこかに「基準」を求めていることになるので、絶対に何らかの作品の真似になります。そうではなく、自分の表現したいありのままを作品にぶつけることが芸術表現の本質であり、そのことを岡本太郎は「爆発」だと言ったのです。
つまり「芸術は爆発だ」の意味は、何物にもとらわれず自分が表現したいと思うありのままを作品にぶつけるということ。このことを踏まえれば、たとえ突飛な表現であってもそれが本当に自分の表現したいものであるならば、堂々と表現すべきだと言えます。
自分が表現したいと思うありのままを靴下に、自転車にぶつけてみる。
無意識を意識しながら、自転車をこいだ。
「奈良でこういう靴下を作りました!っていう記事書こっかな。タイトルはこんな感じで、流れはこんな感じで、あんな写真も入れて、あ、やっぱり大仏と鹿は外せんよね」なんて、微塵も頭をよぎっていない。
ギーコギーコと軽快に自転車をこぐこと5分。
片方の靴下がスポンッと編み機から出てきた。
生まれたての靴下は、スタッフのお姉さまに助産師のごとく取り上げていただき、休む暇なく、もう片方の靴下出産準備へ。
ギーコギーコ。スポンッ。
二卵性双生児が誕生した。
スタッフのお姉さまの解説によると、靴下の表面にどの色が来るかによって柄が変わってくるので、同じ色を選んでいても、違った表情になったり、左右が非対称だったりするようだ。
編みあがったばかりの靴下は筒状のため、つま先を縫製していただき、熱をあてて完成である。
最初の糸の組み合わせからは想像できない、個性的で世界にひとつだけの愛すべき靴下が完成した。左右非対称なのがまた良い味を出している。
最後はタグをつけ、ラッピングもしていただけるので、このままプレゼントとして贈っても喜ばれるに違いない。
靴下のまち奈良に行くことがあったら、もちろん地元の方も、ぜひ立ち寄って、自分のありのままを表現した靴下を作ってみてはどうだろうか?
【 チャリックスワークショップ 】
所要時間:約30分
料 金:3,300円(税込)/足
住 所:〒635-0824 奈良県北葛城郡広陵町疋相6-5
電話番号:0745-51-0366
詳細はコチラ ▼(ご予約もこちらのサイトから可能です)